2017/6/21, Wed.

 夜道、解体途中の建物。破壊され、瓦礫の敷かれた上にショベルカーが鎮座し、その手前、機械の載った土台の段差に背をつけるようにして、猫がいる。一つの写真を見ているような、実に「画になる」という感覚――巨大な建設機械と、そのバケットのすぐ下に佇む小さな猫との大きさの対比が強調される、仕組まれたような構図に加えて、立ち入りを防ぐ戸が(猫はその小さな隙間から入りこんだのだろうが)境となって空間を区切っているのが、まさしく風景の展示場を作っていた。

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 禿頭の男性、脚をせかせかと運んでこちらを追い抜く。頭頂に街灯の白い反射が小さく映り、片手には丸く絞ったビニール袋(何が入っているのか?)。

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 夜道の先で猫の黒影が横切る。一軒の家先から入って扉の前で折れ、軒に沿って横に回って行こうとするのが、いかにも通い慣れた様子で心得顔である(と言って、後ろ姿のみで、顔は見えていないが)。人に道があるように、猫も道を持っているらしい。

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