2017/7/19, Wed.

 オレンジ色の指輪が落ちていると見たのが、百合の花弁の地に伏して丸まった姿だった。

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 高年の男が自転車に乗って過ぎる。白いシャツに濃紺のズボン。真っ赤な帽子が際立つ。シャツから露出した腕はオレンジの混ざったような褐色に焼けている。

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 暑いなかでスーツを着込んだ男性。きっちりとした形のパナマ帽が洒落ているが、一歩のたびに背に漣めいて皺が寄せる。

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2017/7/18, Tue.

 マンション入口のガラスに、光に晒された背後の路面が反映。踏んで過ぎてきた白さに目が行く。抑えられた輝き。

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2017/7/17, Mon.

 猫、アパートの駐車場。立ち姿のこちらにやや怯えながらも、走らずのそのそと行って車の下に入る。

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 夜、木の間の下り坂に黒い影、猫である。右の木立のなかに入っていったのを、そのあたりまで来てから探せば、黒い体が闇のなかにほとんど溶けこんで見分けが付かない。止まっているとじきに斜面を林の奥へ駆け上って行って、ようやく視認される。

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 街灯の光に、飴のようにコーティングされた百日紅の、濡れた紅色。

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 蛾、街灯に繰り返し突進し、ぱちぱちと翅のぶつかる音を立てる。その音のために、姿を直接見ずとも、頭にかすかな不快が侵入してくる。

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2017/7/12, Wed.

 ラベンダーに蜜蜂。風に押されて体の先端のみで花に掴まっているが(蜂の尻と花のあいだに僅かにひらいた空間)、振り落とされることなく耐え抜く。

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 風に乗って飛ばされる落葉のような雀。ほとんど意志のないかのような、受動的とも思える軽さで宙を走り、塀に移ると、続けてすぐに向こう側に下りて見えなくなる。

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 濃緑に整然とまとまった木のなかに数枚だけ、茶色に枯れた葉の集まりがある。風に吹かれて散らばるのはしかし、枯葉ではなくて、周囲の緑のほうである。

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 夜道、巨大な虫かロボットのような影。幼子が足を左右に広げながら親の胸に抱きつき、ぶら下がっている。

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2017/7/10, Mon.

 電線の上に二匹の鳥、雀とも鵯とも付かない体躯。青空を背後に、明るさを受けて白っぽい。尻の方をふるふると揺らす。

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 草むらから自転車に乗った女児二人が出てくる。一人は早々と道を渡ったが、もう一人はこちらの前で、道路とのあいだに挟まった傾斜をうまく上れずに停まっていた。

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 側溝の蓋の隙間から突き出した烏の羽、輪郭がほつれており、思いのほかに長い。

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 夜、駐車場の真ん中に猫が寝そべっている。広々とした感じ。建物の蔭の端が掛かるなかに、腹の毛の白さのみが浮かぶ。

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2017/7/8, Sat.

 黄昏れ、街道。早く早く、と急かす子供の声。叫び。過ぎざまに覗くと、花火をやっている。漂った煙の向こうに明かる小さな火と、その周囲に広がる緑色の光。

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2017/7/4, Tue.

 女子中学生、横断路前の段に腰掛けて、迎えでも待っているのか、道の先にじっと目を飛ばしている。膝の上に白い布の袋。編み物を抱く老婦人の佇まい。

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